2012年11月23日金曜日

リスクを取るのか取らないのか

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資産運用をするにあたって最初に考えなければならないことは、リスクを取るか取らないかだ。リスクと言われると信用リスクを思い浮かべる人が多いと思う。これは預けたお金が返ってくるのかどうかというリスクだが、そのリスクではない。

資産運用の文脈でリスクと言ったときには価格変動リスクを指す。株式などの収益がマイナスになることがある資産をリスク資産という。リスク資産の収益(リターン)の期待値を期待リターンといい、年次リターンの平均値で表す。リスクとは年次リターンの変動幅であり、年次リターンの標準偏差で表す。リスクが大きい資産ほど期待リターンが大きくなることが、理論的にわかっている。

以下に示したグラフはリスク資産の値動きのイメージだ。大きな期待リターンのために大きなリスクを取ると、運用中に資産が大きく目減りする可能性がある。
期待リターン5%・リスク10%の資産の値動きのイメージ
期待リターン2%・リスク4%の資産の値動きのイメージ
元本が損なわれることがない無リスク資産は、1,000万円以下の銀行の預金と日本国債だけである。それ以外の無リスクをうたう金融商品は二種類ある。一つは詐欺。もう一つは「元本割れしない」だけで、定期預金や国債にリターンが負ける可能性がある商品だ。

資産運用に定期預金や日本国債以外の手段を用いるときには、必ずリスクがともなう。まずリスクを取るかどうかを決めないと何も始まらない。どうしたらいいかわからない人は、書店で適当に資産運用の入門書をめくって、リスクを取るべきか、取るとしたらどれくらい取るべきかを中心に述べた本を選んで読むといいだろう。

リスクなんか取らなくても、いい金融商品がいろいろあるじゃないかと、保険会社や銀行が勧める金融商品を見て思っている人には次の本がお勧めだ。

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